この銭湯の煙突は、先端が細くなっている安定した形のものである。よくみるとほのかに煙が出ている。駐車場はないみたいだ。
銭湯周りは地味だが、のれんをくぐって中にはいると本格的な銭湯であることがわかる。神棚はなぜか女脱衣場に向けられている。テレビは番台専用のもので、入り口の上には古いスイッチ群とともに一万円の子ども銀行券が逆さに貼ってあった。そして、入口には浴室の大きなガラスまでのある蒸気風呂(湿式サウナ)が張り出している。
浴室は近年改造されたようである。正面壁はにぎやかな組み合わせタイル、側面もにぎやかな小さなタイルをはってある。タイル自体は現代的なのだが、昔からある浴槽や床の地味な明るい色のタイルとのバランスが悪く、壁絵もなく全体として落ち着かない印象を与える。正面壁には何かあった形跡もあるが、ここにきれいな壁タイル絵があり、全体を明るい地味なタイルにすればかなり見栄えのする浴室になると思う。中央のついたて型の洗い場も、固定シャワーなどの手間のかかった改良がなされているが浴室を狭く感じさせている。天井は白モルタル塗りのかまぼこ状のものでしきり中央上に小さな蒸気抜きがある。
この浴室には7つも浴槽がある。まず、正面奥に左から気泡湯、白湯熱湯、バブルジェット&打たせ湯(水圧調整コックあり)、薬湯(バスクリン)がある。中央の熱湯浴槽は電気風呂のように見えたが、ここに湯が出て下のトンネルから左右に湯が入るしくみである。この熱湯はとてつもなく熱く、私は足を入れるだけで観念した。その手前に一般白湯の湯船がある。入口横には小さな水風呂が二つも並んでいる。
サウナはまさに風呂の由来となった蒸気風呂に加え、側面に一般のサウナもある。蒸気風呂は座席が二段になっていて8人ぐらい座れそうだが奥下の蒸気吹き出し口には注意が必要だ。サウナも奥行きがあって5人ほど座れそうだが、入り口がアルミサッシのせいかあまり温度が上がっていない。浴室のしきりは特に低いとは思わないが、過去に覗きでもあったのかさらに白布で高くしていた。
この銭湯は公衆浴場としての機能面では充実した銭湯なので、精神面・遊び面での改良がなされればかなり良い銭湯になると思うが、立地条件は良いのだろうか?