入るとフロント形式の番台があり左が男湯、右が女湯である。番台の後ろはロビーになっており、男女湯はしきりではなく完全に分離されている。洗面所が奥に一列に並ぶ脱衣場はそんなに広いとはいえない。
浴室にはいる。中央に四角い主浴槽があり、右の壁にはカランと固定シャワーが並ぶ。奥には水風呂とミストサウナ、二段の座席(八人ぐらい座れるか)のある遠赤サウナがある。左側面には奥から寝式のバブルジェット、気泡湯、薬湯?らしい浴槽が続く。 そして、全身シャワーが左手前にある。天井には蒸気抜きがある。
私がサウナに入っているとサウナや突然バブルなどの動力系のスイッチが止まった。営業時間はまだ20分あったが、そろそろ片づけのようである。このような近代的なバブルの音がやんだとたんにシンとして、浴場全体が死んだように感じた。私はそそくさと上がり、この銭湯を後にした。小さな銭湯ではこのようなことは特に抵抗を感じない。一方で片づけをしている銭湯に入ったこともある。しかし、このような様々な設備をもつ銭湯では、冷たく閉め出されるような印象を感じることに気づいた。結果、この緑豊かな銭湯には何か悪い印象が残ってしまった。陽気湯に落ち度はないのだが、今の公衆浴場には心のリフレッシュを目的に来る客が増えているということを考えれば、「そろそろ片づけますよ」ということを事前に伝えるか、時間内では客がいれば徹底して営業するというような配慮があればその心が客にも伝わると思うのだが。 (H9)