霧の森交湯〜館   四国中央市新宮町馬立4491-1 

営業時間:10:00〜21:00  月曜日が休み 湯銭:400円


 法皇山脈には昔からよく登っていて隣の別子山村は何度も訪れたことがあったが、新宮村は2度ほど通過したことがある程度で、お茶の産地というくらいしか印象がなかった。四国中央市の公衆浴場がほとんど無くなったが、新宮の地に公衆浴場があると聞いていってみることにした。地図上では三島や川之江から近いのだが、一山越えるのちょっと覚悟がいる。高速にのれば近くまで行けるが、風呂に行くだけで高速に乗るのはどうだろう。つづら折りの道を新宮に出て、そこからさらに川伝いに寂しい道をぐねぐね走るとやっと霧の森の看板を見つける。広い第一駐車場に着く。高速道路の下にいくつかの木の間から見えるがそれらしき建物は見えない。SAのようなものだろうか。駐車場から向こう岸へ渡る斜張橋がある。その橋を渡ると目の前に入口だけが明るい建物がある。幟や案内板からみてそこが「霧の森交湯〜館」のようだ。

 温泉マークのあるドアを開け、ロビーに入ると奥にカウンターがあり自販機で入浴券を買う。8時を過ぎていたので浴場と休憩室以外は灯りを落としている。カウンターの後ろには厨房があり、軽食屋飲み物も注文できるようだ。早速脱衣場に入る。適度な広さで仕切りもなくシンプルな脱衣場である。低い位置のロッカーがないのは、使う方にも清掃にも都合がいい。

 浴室も十分な広さがあり、床や下壁に落ち着いた色の石材が使われている。装飾はないが品の良い浴室である。どうも外に露天風呂らしきものがあるようなので出てみる。ここは元々は単なるテラスだったようだが、平成24年に露天ジャグジー風呂を設置したそうだ。昨今はマイクロ気泡風呂がはやりだが、このジャグジーは賑やかに大粒の気泡を噴射し浴槽の底がどうなってるのかも分からない。おまけに7色に変化する水底イルミの風呂でちょっと引いてしまった。

 1階は温泉と休憩のフロア、2階が100名以上収容の研修室があろ。私はサービスのお茶をいただき、パンフレットをみる。SAかと思ったが、どうも独立した新宮の交流施設がこの地に集約されているようである。交流館、レストラン・茶室「聴水庵」・菓子工房&茶フェそして十分広い野外ステージ(イベント広場)があり、複合観光施設としても機能しているようだ。そして傍らに馬立本陣跡の建物がある。土佐藩の参勤交代で本陣が置かれた庄屋屋敷の史跡である。土佐街道は吉野川沿いではなく2つの峠を越えるこの地を通るのだなと思いながら、施設をぐるりと見て回って駐車場に戻った。第一駐車場には立派な公衆トイレと毎日曜日に開かれる青空市用の建物がある。帰りに気づいたのだが、堀切トンネルの北側には三島・川之江の市街の夜景が楽しめるポイントがいくつかあった。