時計のページ   H22.2.21更新 
 腕時計を趣味にする人は多いが、私は身につけるものは機能に対して最小限の大きさと耐久性があればよいと考えている。時計もできるだけ薄く軽いものがいいので、学生の頃は神戸の高架下で、手巻きでもいいからできるだけ薄いのを選んでつけていた。そのうちクォーツ時計も小さくなってきたので、数字と2本の針があるだけの腕時計をずっとしていた。
 しかし山に登るようになって、便利な機能のついた時計を使うことで、結果として荷物の軽減と操作性が格段によくなることを実感した。現在も機能性と軽量であることをポイントに時計を選んでいる。

SEIKO 掛け時計
 子どもの頃聞いた柱時計の音が、今でも耳についている人は多いだろう。子どもの頃、寝られないときにきこえてくる時計の鐘の音は、独特な響きである。あるリサイクルショップに入ったとき、手頃な値段の掛け時計があったので、買ってみることにした。ねじを巻くといい音で鳴るではないか。自慢げに30daysと書いてあるので、当時は月に一度ねじを巻く時計が高性能だったわけだ。室内ではうるさそうなので部屋の外に置いて、今も時報の鐘を懐かしい気持ちで楽しんでいる。

     腕時計
 腕時計は、当時は高校生になると買ってもらえる生まれて初めての精密機器だった。私は、セイコーのバナックというカットガラスの美しい腕時計を親に買ってもらい、とても気に入っていた。自動巻の機械式時計なのでトラブルは皆無であった。そして、購入五年後、二〇才の春、東京のアルバイト先で、汚れた作業着をコンクリートにたたきつけてほこりをはたいたときに、その作業着のポケットに入っていたのである。鈍い音に驚いてポケットを探ると、粉々になったバナックが痛々しい文字盤を晒していた。その後、神戸の高架下で中古の腕時計を購入するが、このときはできるだけ軽く薄い腕時計を愛用していた。その後、買ったのは、ナチュラル指向のセイコーのデザインウォッチ(写真)である。初めてのクオーツ発信の電気式時計で、時間の補正がほとんどいらない軽くてかわいいこの腕どけいはかなり愛用していたが、針がぶらぶらになってしまったので、今は引き出しの中で転がっている。機械式高級ウォッチは、相変わらず人気があるが、機能を最優先する私は、あまり興味がない。その後、外国旅行用にデュアル表示の腕時計(CASIO WS-300-7BV)を買ったが、日常的には使うことはない。旅行やバイク用に安価な防水腕時計やアクセサリー時計をいくつか買っている。

     高度表示機能付き腕時計 (山行の信頼の友) 
 1988年、富士山中で放浪した経験の中で最も頼りになったのが、アネロイド式のアナログ気圧・高度計である。次の山行である日本アルプス初縦走を計画していた1989(平成1)年2月、カシオから天気の傾向が予測できるという画期的な気圧・高度センサー付きデジタルウオッチ:センサーウォッチシリーズ第一号機「BM-100WJ」が発売されたので、早速これを購入した。参考程度だと期待していなかった半導体センサーの高度計は、かなり正確で信頼でき、結果としてかさばるアナログ高度計はお払い箱になってしまった。
 次に購入したのがカシオの品番943、そして温度計付きの品番960(共に写真はなし)を購入する。これらはプロトレックシリーズと名を変えてさらに愛用し、現在、PRT-30(1406)、PRT-40(1471)、PRT-500(1375)が手元に残っている。960から付いている温度計は、腕につけると当てにはならずほとんど使用しないが、5m刻みの高度計は今のところかなり信頼性があって重宝している。PRT-40には、高度計に加えて温度計、方位計がついている。ちょっと大きくなったが、それに余る機能の充実である。ただ、皮のバンドは傷むし夏は臭くなるので、ウレタンのものに変えて山登りや旅行でこの時計は活躍した。しかし、2008年夏、中国・瀋陽の五愛市場時計売り場で電池交換に失敗してねじをも失ってしまい、そのまま使用していない。そして現在、山行時に使用しているのは軽いPRT-30である。アナログ・デジタルのダブル表示でチタンバンドのPRT-500は日常用に購入したが、電池交換でOPEN表示が消えずデジタル部が機能しない。メーカー送りにすればいいのだろうが、他の時計で間に合うのでそのままになっている。
 プロトレックの現行機種では、電波時計とタフソーラーの機能が目玉であるが、実際には多大な出費の伴う充電池交換が必要らしいので、過剰装備の現行機種の購入の予定はない。さて、外国の旅行先で電池がなくなるというトラブルが二度あったので、予備の時計としてネットで左写真の安価なノーブランド商品を購入した。温度・高度・天気予想に加え、方位までも表示できるマルチ機能が千円程度で手に入るのは驚きである。しかし、チェックしてみるとかなりいい加減なセンサーである。でも、価格を考えれば予備としては十分な時計である。

  天体情報と潮の干満表示の充実したプロトレック  PRT-11(PRT-111)
高度を測る必要があるときには高度表示機能付き腕時計を持って行くが、日常的に使っている腕時計は、このPRT-11シリーズである。これは、マリンスポーツ用のプロトレックで、潮の満ち引きを表すタイドグラフがあるので、海辺によく行く私には重宝しているのである。そして月形に月齢、日の出・日の入りまで表示できる。さらに現行のプロトレックにはなくなった月の出・月の入りの時刻表示まである。天体観測に重宝するこれらの充実した機能と適度な軽さからこの時計をすることが最も多いのだ。カシオに問い合わせるとこれだけの機能を継承する機種が、今後出ることはないそうである。それで、ネットで予備としてもう一つ購入することにした。私が持っているのは表示がグリーンのものだったが、茶色のものやバスが浮き出るものもある。事情があって結果としてPRT-111(PRT-11のチタンのボディー・バンド仕様 ほとんど同じでPRT-110というのもあるらしい)を2つ手に入れることができた。一つはかなり傷んでいるが、3こもあれば将来も安泰であろう。