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澤原 勇 さん ・・・平成21年8月9日・・・

この日は我が倶楽部のチヌ釣りアドバイザー(←無理矢理お願いしてる・)
 兼・トーナメンターの藤本さんが、WCT(西日本チヌかかりトーナメント)の決勝に
 駒を進めたので、あまりお目にかかれないトーナメントの雰囲気を味わって
 みたいのも兼ねて堂の浦へ応援に駆けつけたのであった。

 AM5:00頃、藤本さんやトーナメンターの人達を見送った後、雨の中船着き場で
 突っ立ててもしゃーないので2番船の卓丸に乗り込み4号筏にひとり上陸!

 荷物を降ろした後、船長が「今日こそは決めてもらわなあかんなぁ〜」
 「しかもここはこの前、香川のN夫妻が年無しを・上げた所や」
 私:“えっつ!!ここが・・・Nさんの・と・し・な・し・”  鼻息ブッシュー!!
 船長は肩幅くらいに両手を広げてニコニコしながら・ 「でも澤原さんは、まずは
 ヨンマルや・なっ・!!」
 私:“はい!今日はやりまっせ!せんちょ〜う!!”と、いつもの調子ええ返事・・・
 ほんまに・船長とのこんな言葉のキャッチボールを昨年から何度繰り返してきた
 ことだろうか・・・
 ハア〜(溜息)

 思えば・・・忘れもしないあの悪夢の日

 そう・それは・・・
 時は昨年・・・2008年6月28日(土) 長潮(曇のち雨)

 AM6:00頃、嫁のヨーコママと2人で大毛島横の11号筏に乗り込む。
 ヨーコママはもちろんメバル狙いで、私は・ヨンマル狙い!
 ヨンマルにこだわっているのは・後からかかり釣りを始めた同倶楽部の
 メンバー あっち&ぢるさんやNKさんらは、みぃ〜んな既にヨンマルマスターに
 成っていて、一番最初にかかり釣りを始めた私だけがひとり取り残されていた。 
 そんな裏事情もありヨンマルにかける執念は高校球児が甲子園を目指しているように
 自分だけがメラメラと熱く燃えているのであった・。 

  AM09:00頃
 ヨーコママはいつものマイペースで一本釣りの漁師みたいにメバルを上げていく。
 私の方は、ダンゴをたまに突っつくボラが一匹いるような感じだが、まだ本命の顔は
 拝んでいない。

 ダ・ダ・ダ・ダ・ダッーッツ!!とウィリーしながら卓丸を操る船長がやって来る!
 船長:「ボラおるん?」 “はい・少ないけどダンゴアタリあります”
 刺し餌は オキアミの剥き身 船長が観ている前で誘いをかける。
 船長:「誘いが速い!もっと・じわ〜ぁと そう じわ〜ぁ と」 “はい! 
 じわ〜っ・・・”
 その時、“ドキッ”した前アタリから送り込んだ後・クゥッ!と
 大きめのアタリがっ!!
 “おっりゃつ!”と合わせると小気味良い引きが・・・ 
 上がってきたのは今日初めての26センチくらいのチヌであった!!

 船長が私の穂先を観て(←睨み付ける・のが正解かな・)いるプレッシャーの中、
 チヌを上げれたのは 昨年までとは違う
 “ど素人のど”を卒業できたのではないだろうかと 少し誇らしげな顔をしながら
 船長の顔を覗き見る・
 船長:「ほう・やるな〜ぁ 」ニコニコ 「もっと細キューぎょうさん入れてみ・
 ボラアタリ増えたら昼から入れ食いになるかも・」
 “はいっ!”と嬉しさ余りに元気よく返事した後・忙しそうな卓丸の後ろ姿を見送る。

 『ほんまに入れ食いになるんやろうか?』と半信半疑ながら師匠の言葉を鵜呑みにし、
 土に細キューを多めに追加する。
AM11:00くらいであろうか、船長が言ったとおりダンゴアタリが強くなってきた!
 『ボラがいる所には120%チヌがいる』と強く悟されている私の活性はみるみる
 上がっていく。
 ボラが突っついてダンゴから抜けた剥きオキアミに“ツン”と
 前アタリみたいなものが・少し、じっ・わ〜っと穂先を送ると
“クッツと押さえ込むのかな?う〜ぅん・あれっ?”首を横にかしげながら穂先を
 見つめると 穂先が何か潮で押されているような・
 もたれているままで止まってる???”
 怪しきは合わせる! “おっりゃーっつ!!” グィイーン  “げっつ!かかった?
 ほ・ん・ま・に?!”
 やりとりして上がってきたのは31.5センチのチヌ   ヤッホ・ホ・ホー!
 『死んでいるオキアミに・なんで活き餌のシラサみたいな前アタリがあるんやろう?』と
 考えながらも同じパターンで35センチを追加する。  ク・ク・ク・クッ・た・
 楽しい♪

 更に36センチと37.5センチを連発する!  が・は・は・は・ う・嬉しい♪
 ヨーコママも滅多にない初めての珍事に・信じられないわっ! とあきれた表情に
 変わる。
 『サイズがだんだんデカくなってくる・ こりゃぁ・ひょっとすると〜 ヨンサマ近づいてきたかぁ♪』

 つ・ついにその時がやってきた!
 『これもボラ・こらもボラ』とボラアタリをかわしながら・もたれたアタリを!!
 “おっりゃーっつ!!” グィイーン  “おっ・おっ・おっ ヴ・ヴ・ヴ・” 
 今度は更に強い締め込みだっ!! 
 『何とか切れないでくれっ・逃げないでくれっ!』念仏のように唱えて上がってきた
 チヌを、ヨーコママが手網ですくってくれた。
 「お・お父さん 大きい!重たいでぇ!」 “うわっつ・ほんまや・で・でかい
 計ってみよ” と巻き尺で体に添わして計ってみると・“おっつ!41センチ
 あるやないかっ!”何回も計る・ 
 『後で船長の悪魔のL型金尺(←その年の春、ぢるさんもこの魔の金尺で計られて
 無念の40オーバならずだったので)で計られてとしても少し余裕があるんで、
 40センチ超えは堅いやろう』と、その時は思ってしまったのであった。

 喜びのあまり みんなにヨンサマ上げたことを早速携帯で連絡!

 まず苦楽を共に歩んできた・あっち&ぢるさんへ:“やっ・やったでっぇマスター!!”
 「おめでとうございまース!」この時、お客様の髪のカットをしていた あっちさんは
 嬉しくて涙目になってお仕事をしてくれたそうな・・・
 続いてチームアドバイザーの藤本さんへ:“や・やりましたよ〜(涙)” 
 「やりましたね〜ぇ♪」厨房の奥からKenちゃんの
 「おめでとうございます〜♪」の声も聞こえる。
 お世話になっているもうお一人のチームアドバイザーの北さんへ:“や・
 やりましたよ〜(涙) ” 
 「よかったやないスか〜 甘んじず・今から頑張って10枚釣ってください」 
 “はいよーつ!” 
 倶楽部メンバーのホネオくんも私の釣果が気になり何度も電話をくれてたので、
 “し・仕留めたで〜ぇ!”
 「オッス!おめでとうございまス!」 NKさんへも写メ付きでメールを送る。 
 ウハ・ウハ・ウハハ
 そして心を落ち着け 船長さまへ連絡・ “せ・せんちょ〜う やりましたよ!
 ヨンマルです!”
 「そうか〜♪ ついにやりよったか!後で写真撮りに行くから」と、かなり喜んで
 くれている様子。

 “よし!納竿まで10枚目標に頑張ろう!”と超!上機嫌で糸を垂らす。
 暫くして、“また・きたぁーっつ!!”と38センチを釣り上げ 自分が
 乗っている筏がバラの花で埋まっている天国のような
 錯覚になり・有頂天に!
 更に強い引きの一匹をかけたが、バラした後・なぜかアタリが全く遠のいてしまった・・・。

 いつの間にやら納竿前・  もたれアタリ!“久しぶりに・きっ・たぁーっつ!!”
  チヌしか釣へんと完全に決めつけ
 有頂天になりすぎて脳が溶けたアイスクリームみたいに崩れてきたのか、
 最後に釣り上げたのは手網に取り込んでも
 チヌと思い込み、筏の上に置いてヨーコママに言われて初めて気づいた 
 「お父さんアホちゃうか・ボラやん」 
 “えっつ?”我が目を疑い・嫁に言われてボラであるに気付くくらい崩れ腐って
 いたのだった・・・。

 結局全部で7枚であったが、まあヨンマルという目標が達成できたので、
 10枚は次の目標にしようと思い、
 船長が写真を撮りにくるのを荷物を片付けながらワクワク・ソワソワ・楽しみに待つ。
ダ・ダ・ダ・ダ・ダッーッツ! 船長が2・3人のお客さんを卓丸に乗せたまま
 右手にL型金尺を握りしめニコニコ笑顔で筏に上がってくる。
 船長:「スカリからチヌ全部出して・」 私・笑顔で“はいっつ!” 
 バラバラバラーとひっくり返す。
 チヌの大きさを目視した笑顔の船長が、乗り込んで来た時と違う笑顔になった一瞬を、
 私は見逃さなかった・ 
 船長怪しげな:ニンマリ・

 急に私が真心込めて釣ったチヌ様を黄色の長靴の先で、チョン・チョン・と
 蹴散らかし・(←ちとムッとしたが、そこは師匠なんで・・・我慢・我慢)
 船長:「あれ〜ぇ・ヨンマルはどこかな? まだスカリの中に残ってるのか?」と
 ニヤニヤ 足でチョンチョン・  
 私:“あれっ・いやぁ〜・こ・これで全部です・” 
 魔の金尺をチヌの下に沿わせ「これは、38やろう・これは39やろう
 ほれぃ・よう見てみ・」
 私:“船長が来るのが遅いんで、ひょっとしてチヌが死んでしまって
 縮んだんとちゃいますか?”
 船長:「そんなんで縮むかいなぁ・中途半端は澤原さんも嫌いやろっ・」
 全部計測し終わりヨンマルがいないことが分かると・あ・は・は・は〜
 (←めちゃ楽しそう) ヨーコママに助けを求めようと振り向き顔を見ると・
 船長と同じような笑顔・・・。
 “ガァァァァアーン!!”
 結局、巻き尺で計測した寸法に余裕がなかってヨンマルに届かなかった!
 さ・い・あ・く・・・
 それでも最後に“せんちょ〜う・もうみんなに連絡してしまったのに・”と、
 神戸の高架下での店員との掛け合いみたいに、“ちとまけて〜な〜ぁ”という感じで
 言うと・
 「ほな・俺がみんなに訂正の連絡したろか?」
 私・諦め・:“・・・いやっ・自分でみんなに連絡しますわ・・・” 観念・・・
 そんな状況での写真撮影 自分の中では最高の釣果やったのに悲惨な
 顔しかできない・・・。
荷物をまとめ船長の卓丸に乗り込み、運転する船長の左横に呆然と立ちすくみ
 手摺りを握りしめ前方をボンヤリと見つめる。 
 頭の中は“みんなに連絡せにゃいかん・・・格好悪いなぁ〜”しかたがない・”
 そんな突っ走る卓丸の上、船長の右横にいた全然知らないおっちゃんが
 私のタライの中の7枚の釣果を見て・「あんた〜凄いな〜自分一人で釣ったん?」
 私:“はぁ〜・そうです”と力なく返事する。
 船長そのおっちゃんに対し:「ええ・釣果ですやろ〜 この人やるやろ〜 
 ほんまにええ釣果やっ」とニコニコしながら語ってくれる。
 おっちゃん私に向かって「あんた〜ぁ・俺の師匠になって今度・教えてぇ〜な」
 そっとしておいてほしい私:“おっちゃん・僕の師匠はこの人やでっ!”と
 少し強い口調で言い放ち・前方に気をつけながら船を操る船長の左横顔を
 思いっきり指差しているのであった。

 船着き場に上がり荷を降ろした後、連絡したみんなに笑ってごまかしながら
 訂正・誤りの電話を入れ・逃げるように細川渡船さんを後にした次の日・
 『ヨンマルあかんかったけど、自分なりに満足できたやん』と慰め・納得もできたので
 細川渡船HPの釣果写真を確認したところ・
 “・・・・・”     
 な・なんと自分の写真だけが、白黒になっているではないか!!
 しかも白黒が、悲壮な表情をよりリアルにさせている!
 “ム・ム・ム・ム・ム・ここまで追い打ちをかけてくるとは・ぐ・ぐ・ぐやじい〜”
 パソコンの前に立ちすくみ・頭をうなだれ・だらりと垂れた両手の握り拳を
 プルプルいわせ、絶対に堂の浦でヨンマルを釣り上げてやろうと堅く誓った
 自分がそこにいたのだった。

 後編へ続く・

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