v i c t o r i n o x


ビクトリノックスは1884年にスイスのカール・エルズナーの手によって産まれたカスタムナイフビルダーだ。樹脂製のボディ以外は全てステンレスで作られていて、可能な限り単純な構造になっている。そしてこのメーカの商品は生涯保証なのだ。あまりに完成された形状と有名すぎるこの紅いボディのため、類似品も多く見かける。自らを「小さな道具箱」と呼ぶように(因みに日本名、十徳ナイフ)ミニマムなボディの中にマキシマムの機能を内包している。タケダはここに日本の小宇宙感的美意識を見い出したのだがどうだろう。
ビクトリノックスのラインナップは非常に多彩である。中でも用途別 (職種別にといったほうがいいかもしれない)にプロモートされたオフィサーシリーズがビクトリノックスの代名詞でもあり、真骨頂でもあると思う。左の写 真はオフィサーシリーズの中でもフラッグシップ的な存在の“スイスチャンプ”。ターゲットはアルピニストたちだ。事実アルピニストの中にはビクトリノックスのおかげで登頂を成功することが出来たという人もいるらしい。その他に代表的な物を上げてみると、狩猟用にハントマン、フィッシング用にフィッシャーマン、旅行用にトラベラー、キャンプ用にキャンパー、ライダー用にアウトライダーなんてのもあるし、はたまた給仕用なのかどうかウェイターなんてのもある、その他にもまだまだランナップされている。よくアウトドアショップに行くと専用のショーケースに飾られているので見かけたことのある人も多いかと思う。

タケダが使っているのは右の写真の“キャンパー”。機能はラージナイフ、スモールナイフ、ノコギリ、マイナスドライバー、缶 切り、栓抜き、糸貫、コルク抜き、爪楊枝、毛抜きetc。キャンパーの属性にはその他、黒色ボディのキャンパーBKやコルク抜きの変わりにプラスドライバーを持つキャンパーPDの2種類がある。タケダがキャンパーをチョイスした理由は、あまり大きすぎないこと、自分の使用目的に対して過不足の無いこと。それと値段が手頃なこと、確か3千円代だったと思う。あまりコストを掛けるべき部分ではないように思う。PDを撰ばなかったのはキャンプ地でワインの栓を抜いて飲めたりしたらちょっとイイかも、なんて考えたから。そしてビクトリノックスのアイデンティティの深紅のボディであるということ。

実際にキャンプやその他のアウトドア活動の場においてビクトリノックスの活躍ブリはというと、実のところそれほど役には立っていない。そういうと誤解を招きそうなので正確には、ビクトリノックスの活躍するシュチュエイションがそれほど存在しないのだ。アウトドァの神髄は文明の外に出る事であるとタケダは考えている。実際にそうした場に持ち出せば非常に便利な道具としてその機能を発揮するだろうという予感は充分にする。しかし、現在僕らが行っているアウトドァ活動というのはまだまだ文明の域の中にある。何処へ行っても便利さがおいかけてくる。例えば缶 詰を開けようとすると缶切り不要の缶詰ばかりだし、店頭でも缶切りの必要な缶 詰を探す方が難しい。ビクトリノックスを使うために缶詰のほうを選ぶというのでは本末転倒というもの。タケダはオートバイで旅をすることが自分の目的だと思っている。ゆえにアウトドァ活動をしているという意識は持っていない。ただ、その目的の中の手段の一つとしてアウトドァに近いメソードが要求されるのである。きっとこのキャンパーがあって良かったと思う時が来るかも知れない。その時のための転ばぬ 先の杖なのか。

 

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