第4学年 社会科学習指導案
2008年7月25日(金)
第4学年1組 児童20名
指導者 藤ア 富実子
1、単元名 わたしたちのくらしとごみ
2、単元について
児童はこれまで『健康なくらしとまちづくり』の学習の中で、市町村では、地域の人々の健康な生活を保っていくために、水資源を確保し計画的な事業を行っていることを学習してきた。その中で、課題解決に必要な資料を見つけ、資料をもとに話し合いを進めることはできてきた。しかし、資料に使われている言葉の意味や価値を読み取ることや、社会的な事象と結びつけて考えることがまだまだ不十分である。
ごみに関しては、ほとんどの児童がごみ出しの経験はある。しかし、教室のごみ箱の中は分別されていない事もあり、ごみ問題に対しての意識は高くない。一方、学校で行っているアルミ缶のリサイクル運動やスーパーなどでのリサイクル活動を通して、リサイクル運動に協力している家族の姿も見ていると思われる。理科で光電池の学習をしたときには、「環境に優しい」とか、「安全」とか、「エコ」「地球温暖化」などの言葉も出ていた。
本単元では、地域の家庭、学校、商店などから出されるごみの種類や量などを取り上げ、増え続けるごみの処理にかかわる対策や事業として、ごみ処理の仕方の工夫、ごみを資源として活用する取り組み、最終処分場の確保にかかわる計画的・協力的な取り組みなどを取り上げている。また、市役所やごみ処理施設の人から処理にかかわるきまりについて話を聞く活動から、市役所や町内会などが地域の人々と協力して、ごみの出し方や集積所などに関するきまりを決めていることや、法や自分たちが決めたきまりを守ることが地域の健康な生活や良好な生活環境の維持・向上を図る上で大切であることに気づくことをねらいとしている。
そこで、児童がごみ問題を身近な問題として捉え主体的に追究する中で、ごみ問題の解決のためには一人一人がごみに対する意識を変え、実践していかなければならないことに気づかせたい。環境保全や資源の有効利用などにも目を向け、環境教育の目標の一つである行動化につなげたい。その手立てとして、地域にある『大前田商店』が行っている資源ごみを分別収集し資源として再利用する活動の見学を通して、資源の有効な利用の具体的な取組みやその必要性などを話し合う活動を取り入れる。そして、調べたいことの資料収集・活用ができ、特色をつかんだ自分なりの考えがわかるようにまとめることができるようにしたい。さらに、本校の研究テーマである『自分の考えを伝え学びあえる授業』をめざして、学習したことを根拠に考え、討論ができるようにしたい。指導にあたっては、次のことに留意したい。
・ ささいな事でも、「なぜ?」「わからない」と思うことを評価し、課題意識を持たせたい。
・ 毎時間の授業の中で、調べたことをもとに考えさせ、ミニ討論を仕組んでいきたい。
・ ごみ出し場や清掃工場や大前田商店の見学、ごみ処理に携わる人や地域の人への聞き取り、身近な場所の観察などの体験的な活動を豊富に取り入れることにより、ごみ処理に関わる人々の工夫や苦労、願いに気づかせたい。
・ ごみ問題の解決策について話し合いを行い、ごみ問題の根本的解決策は自分自身にあることに気づかせたい。
・ 家庭におけるごみの処理の仕方などを取り上げる際には、個人のプライバシーに十分配慮する。
・ 総合的な学習とリンクさせることにより、環境について十分調べ、考え、自分の生活に生かすような子どもを育てたい。
3、単元の目標
(1) 児童一人一人がごみ処理についての問題意識を育むとともに、地域社会の一員であるという意識や、ごみを減らすために自分なりにできる事を考え、協力しようとする意識を育てるようにする。(関心・意欲・態度)
(2) ごみ処理のしかたについて理解したことをもとに「ごみ袋の値段をもっとあげるとよいという考えに賛成か反対か」ということを考えることができるようにする。(思考・判断)
(3)ごみを観察調査するとともに,地図や資料を効果的に活用し、ごみ問題について考える力、調べたことや考えたことを表現する力を育てるようにする。(技能・表現)
(4)地域の人々の健康な生活や良好な生活環境及び安全を守るために、ごみの収集などを関係機関と地域の人々が互いに協力していることや、様々な工夫や努力をしていることを理解できるようにする。(知識・理解)
4、単元の評価規準
社会的事象への 関心・意欲・態度 |
社会的な思考・判断 |
観察・資料活用の 技能・表現 |
社会的事象についての 知識・理解 |
自分たちの生活とごみとの結びつきに関心をもち、意欲的に調べ活動に取り組むことを通して自分にできる努力や協力をしようとする。 |
ごみの処理にかかわる 対策や事業について問 題意識をもち、学習の 見通しをもって追究・ 解決している。 ごみの問題について考え、自分がどのように取り組むか適切に判断している。 |
ごみの処理の様子を観察・調査し具体的に調べている。 見学・調査したことを分かりやすく整理したり、工夫して表現したりしている。 |
ごみの処理と自分たち の生活とのかかわりが 分かっている。 ごみの処理のしくみと ごみを減らすための努 力や工夫がわかる |
5.指導と評価の計画(全14時間 本時1/14)
時 |
学習内容 |
評価観点 |
評価規準と方法 |
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関 |
思 |
資 |
知 |
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1 |
ごみについて話し合い、ごみ調べをしようという意欲を持つ |
○ |
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ごみの種類を調べ、ごみ調べをしようという意欲を持っている。【関】(発表・ノート) |
2 ・ 3 |
ごみ出しの様子を観察し、はてなを見つける |
○ |
○ |
|
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ごみ収集場所を調べ、気づいたことを見つけている。 【関】(発表・ノート) ごみ処理の仕方や工夫について自分の考えを持ち、追究しようとしている。 【思】(発表・ノート) |
4 ・ 5 |
ごみがどのように集められ、どのように処理するのか調べる |
|
|
○ |
○ |
南国市のくらしや教科書の資料を活用し、ごみ処理の仕方を調べている。 【資】(発表・ノート) ゴミ収集車が集めに来ることを理解している。 【知】(ノート) |
6 ・ 7 |
南国市のごみの分け方・出し方のパンフレットを見て分別の仕方を調べる |
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|
○ |
○ |
南国市のごみの分別についてパンフレットを見て調べている。 【資】(発表・ノート) 分別の仕方や行方を理解している。 【知】(ノート) |
8 総 1 |
大前田商店を見学する |
|
|
○ |
○ |
リサイクルできるものどのように集められているか実物を見たり、話を聞いたりして、意欲的に確かめている 【資】(発表・ノート) どのようにリサイクルされているのか理解している 【知】(ノート) |
9 ・ 10 |
清掃工場を見学する |
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○ |
○ |
もえるごみがどのように処理されているのか、実物を見たり 話を聞いたりして意欲的に確かめている 【資】(ノート) もえるごみの処理の仕方を理解している 【知】(ノート) |
11 ・ 12 |
大前田商店や清掃工場を見学してごみ処理の費用について話し合う |
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○ |
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|
ごみにかかる費用について調べ、なぜこんなにかかるのか を考える。 【思】(発表・ノート) |
13 総 1 |
ごみをへらすためには自分たちにできることを話し合う |
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○ |
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ごみを減らすための工夫を見つけ、どんなことをしたら良いのか考えている 【思】(発表・ノート) |
14 総1 |
学習したことと自分の考えをまとめる |
|
○ |
○ |
|
自分の考えをもとに討論することができる 【思】(発表・ノート) ごみの学習のまとめを図や表や絵を使ってまとめることができる 【資】(発表・ノート) |
総 18 |
自分たちにできること(発展) |
(1) 目標
・ 担任の家のごみを調べて、ごみの種類の多さに気づく
・ ごみを分類し「はてな?」を見つけ、ごみ調べをしようという意欲を持つ
(2) 展開
学習活動 |
支援(○) 評価(*) |
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1. ごみ袋を見て、?を見つける ・ カンやびんは、もえないごみだと思う ・ もえるごみもある ・ 牛乳パックやペットボトルはスーパーでリサイクルできる ・ ズボンはまだ使える。捨てるのはもったいない ・ ゴミ袋がちがう
2.もえるごみ・もえないごみに分類する中で、意見を交換し合い、リサイクルできるものに気づいたり、まだ使えるものに気づいたりする。 ・ わからないものがあるなあ。 ・ リサイクルするものはどこへいくのかな? ・ アルミ缶は車いすに変えられるぞ。 ・ このズボン捨てるのかなあ ・ まだ使えるからごみじゃない ・ 捨てたらごみ ・ もったいないから捨てたらいけない ・ 誰かにあげればいいから、ごみじゃない 3.自分の家のごみも調べてみようという意欲を持つ
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○ じっくり見させ、わかったこと・気づいたこと・思ったことをたくさん出させるようにする。 ○ 実物と写真を提示し、見やすくする ○ 順に発表させ、全員が発表できるようにする ○ はてな?を整理して板書する。 ○ 教科書や資料で調べられることはないか問いかける ○ 児童から意見が出たら、資料を提示し、全体のものになるように確認する ○ ノートに自分の考えを書かせ、ミニ討論を仕組む ○ 自分の考えを伝え、聞きながらじっくり考えさせるようにしたい。 * 家のごみを調べようと意欲をもっているか |
(3) 資料
スマートボード、プロジェクター、パソコン、ごみ
(4) 板書計画