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夏の大三角形

白鳥座

琴座
鷲座



それぞれ一番大きな星が首星に当たります。
その三点を結んで夏の大三角形と呼ばれていますが、どうやらこの絵の向きは南が上になっているようですね。

白鳥座から鷲座と琴座の間を通るような感じで天の川が流れていると思って下さい。


白鳥座(Cygnus)

トレミー星座のひとつ。
天の川中に有って、九月下旬の夕方天頂で南中で耀いてます。
首星はデネブ(アラビア語の「尾」の意)。


昔々ギリシャにスパルタと言う国がありました。
その国のお妃レダは、まさに絶世の美女と呼ばれるほど美しい女性でした。
そんな美女に、全能の神・ゼウスが惚れ込んでしまったのです。

ある日、侍女を連れたレダが泉で水浴びをしていることをしったゼウスは、レダを油断させるため大きな白鳥に姿を変えてレダの元へと舞い降りました。この時のゼウスの姿が白鳥座になったといわれています。

ゼウスが白鳥に姿を変えているなど夢にも思っていないレダは、自分の傍に近寄ってきた美しい白鳥のカラダをなでて、しばしの間戯れていました。

こうしてレダはゼウスの子供を身ごもってしまったのでした。しかもゼウスが白鳥の姿であったため、ヒアシンス色の卵を2つ産み落としたのです。

そして、ひとつの卵からはのちに双子座となるカストルとポルックスの兄弟、もうひとつの卵からはトロイ戦争の引き金となってしまう美女ヘレネと、夫殺しの悪女として知られるリュイテムネストラ姉妹の双子達が生まれたのでした。


(ギリシャ神話より)



琴座(Lyra)


北天の星座のひとつ。
白鳥座の西にあり、晩夏の夕刻天頂に来ます。
首星はべガ(アラビア語の「落ちる鷲」の意)。織女星のことです。


昔々デーヤという国がありました。
その国のお姫様チュク・ヌは、はた織りが大好きで毎日のように天の川のほとりではたを織っておりました。

その対岸ではヌグン・ランをいう若者が羊の番をしており、毎日顔を合わせるうち若い2人は恋に落ちてしまいました。
このことを娘から打ち明けられたデーヤの王は、

「ようし、この結婚を認めよう。ただし、毎年7月だけは休んでも良いが、ほかの月はちゃんとお互いの仕事をやるんだぞ」

と笑顔で送り出しました。
しかし、いざ甘い新婚生活が始まってしまうと、ヤーデ王との約束もどこへやら、幸せいっぱいのふたりはあちらこちと出かけ、遊びほうけてしまったのです。

そんな彼等を見て腹を立てたヤーデ王は、以前のように天の川の両岸に引き離し、毎年7月だけにしか会うことをゆるしませんでした。

自業自得とはいうものの、離れ離れになってしまった2人。年に一度の逢瀬の時には、天の川に橋を渡すため、地上から沢山のカラスが天上へと飛び立つので、ベトナムではカラスの姿があまり見えなくなると言われています。

そして逢うことが出来た彼等は、うれしさのあまり涙を流し、別れの時には悲しみの涙を流し続けます。

この涙は雨となって地上に降り注ぎ、7月の乾燥したベトナムの大地を潤し、豊かな恵みをもたらしてくれるのだそうです。


(ベトナムの七夕伝説より)



鷲座(Aquila)


トレミー星座のひとつ。
晩夏の夕暮れに南中、天の川の東岸にあって琴座と相対しています。
首星はアルタイル(アラビア語の「鳥」の意)。牽牛星のことです。


昔々あるところに、母親と2人の息子達が貧しいながらも暮らしておりました。息子達のうち兄は酷い怠け者で、働く事も無くダラダラと遊んでばかり。いっぽう弟は、一家を養うため、兄の分までせっせと働く、働き者でした。

ある冬の寒い晩、彼らの母親は死んでしまいました。

2人は母を想い、来る日も来る日も泣き続け、母を生き返らせてくれるよう、神に祈りました。そんな心からの願いを聞き入れた神は、老婆の姿に変身して兄弟の前に現われました。
そして、

「川の向こう岸まで舟で渡してくれれば、おまえたちの母親を連れてきてあげよう」

と言ったのです。
その言葉に大喜びした兄弟は急いで舟を出し、老婆を乗せて向こう岸へと舟をこぎ始めました。

しかし、どんなに2人が力いっぱいこいでも、舟はなぜだかいっこうに進もうとはしません。そのうち、怠け者の兄はだんだんとめんどうくさうなってきました。そしてとうとう、櫂を捨ててこぐことをやめてしまったのです。

そんな兄を横目に、大好きだった母親に逢いたい一心で、働き者の弟はひとりになっても黙々と舟をこぎ続けました。

そんな姿を見ていた老婆は、さっと立ち上がって弟だけを抱いて天へと連れて行きました。そしてひとり取り残された兄は、舟と共に流されたあげく地獄に落ちてしまいました。

天の神はこの戒めを広く知らしめるため、この時の3人の姿を星にして天に掲げることにしました。真中でいちばん輝いている星(アルタイル)が老婆、そのすぐ右で輝いているのが働き者の弟、そして左側の暗い星が怠け者の兄なのだそうです。


(アイヌ伝説より)

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                        参考文献:快適生活フリーペーパーさらら


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