真秀には翠 

ついに某学園シリーズ4作目です。
『静かな月、静かな夜』で前振りしていた美都君の謎の回想シーンは
結局このお話につながる訳です。

4作品通してずっとベースに思っていた事は
出来るだけ偶然を少なくしたいと言う事でした。
話の内容的に偶然の要素が沢山あったのですが
杜なりに出来るだけ減らしたつもりです。
え? と思われる方もおられるかと思いますが
殆どはある程度出会うべくして出会っていると言う設定にしています。
実際普通の生活でも偶然って事は時々有りますが、
偶然は2回までとも言いますよね。

さてこの作品で初の試みは
遺書を書いた事と詩を書いた事でしょうか。
随分前に新聞の特集記事で紹介してあったのですが、
第二次大戦中、神風特攻隊の為に使われていた飛行場が
資料館になっている場所が有るそうです。
そこには特効隊員の遺書なども展示してあるそうで、
大学ノートか何かに『お母さん、強く生きて下さい』とだけ
延々何ページにも渡り書かれていたと言うのを読んでひどく心を打たれました。
実際亡くなった人からのメッセージは本当に重みを感じます。

それから詩の方ですが本当は書くつもりは有りませんでした。
文章中で売れっ子作家と設定しているのに何ともお粗末な詩で申し訳有りませんが
つい閃いてしまったのでフラフラと載せてしまった上
タイトルにまでしてしまった恐ろしい奴です。

この作品が出来あがった後にあまりにもJuneっぽくないので
強引に作ったシーンが橘郁のひと騒動です。
もとより彼はメインキャストにする予定だったのですが、
思いのほか早く主役の座を射止める事になりました。

と言う事で、次回は彼のお話になります

'99.4.28 杜水月


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