たぬき



 車で国道439号を夜走っていると、タヌキに逢うことがある。彼らは、車の光を見つけると逆方向に走り出す。道路脇の草むらに入り込めばいいのに、道路を向こうの方に走って逃げる。ときどき、車に轢かれる。地元民には、轢いて今晩のおかずにするという方もいる。S田Y紀子医師は轢きたくないと思っているのだが、今までに2回タヌキを轢き殺した。
 タヌキを捕獲した場合、その皮下脂肪を塩漬けにする。これを「タヌキの脂」と言い、高知県地方では万病に効く薬と信じられている。湿疹が出たら塗り、傷が出来たら塗り、腹が痛ければ飲む。一握りほどの「タヌキの脂」が一万円ほどで売買されるらしい。「いやー、民間療法って言うんですかね、困るんですよね」って妻の実家で話していたら、義父が「お、タヌキの脂ならうちにもあるぞ。」と言い、瓶詰めになったものを奥の部屋から持ってきた。「アトピーなんか一発で直るぞ」と言いながら、孫の手に塗ろうと・・・わーっ!

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