さわがに



 水の綺麗な沢にそのカニは居るのである。さわがには食べられる。しかし、躍り食いなんて生で食べることをする人も居るそうだが、お勧めではない。さわがにには肺吸虫という寄生虫が居る。肺に寄生して食い破られたりする、怖い虫である。
 さてこのカニさん、ある時期に産卵するため移動する習性がある。自然の摂理とはすごいもので夜間、集団で移動する。車で国道を走っていると、カニの集団に遭遇することがある。ライトに照らされてもカニは一歩も引かない。彼らには(あれ産卵するから彼女らか?)種の保存という遺伝子に組み込まれた大きな使命があるのだ。自分たちの行動をじゃまする奴らは許さない。彼らはライトの照る方向に向かって戦う意志を示す。ライトに向かってその爪を高々と振り上げ、「やるか、このやろー」というポーズをとる。私もカニの通過を待つほど暇ではない。当然、強行突破となる。ぶちぶちぶち・・嫌な音とともに使命を果たすことの出来ないカニさんは哀れな最期をとげる。しかし、残された者はその屍を乗り越えて、産卵の地を目指し、何事もなかったように行進を続ける。ああ、自然は厳しい。

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