まむし(はめ)



 高知県梼原町付近では「まむし」のことを「はめ」と言います。高知県大月町付近では「くちめ」と言います。イメージとしては口と目が目立つので、歯目(はめ)や口目(くちめ)と名付けられたのでしょうか?
 さて、この「はめ」ですが初夏の雨上がりなどに出ます。草むらでゴソゴソしていたりします。毒が強く、噛まれたら凄い勢いで腫れます。首など噛まれたら腫れで気道が閉塞し窒息することもあるとか、こわいです。君子危うきに近寄らずで、「はめ」の居そうな場所には行かないことが良いと思うのですが、喜んで自ら近寄る人々が居ます。「はめ焼酎」を作る人たちです。「はめ」を焼酎につけ込んで薬にするのだそうです。

 ある初夏の日、「はめに手を噛まれた」という中年の男の人がやってきました。聞くと年老いた母が病気がちで「はめ焼酎」を作って飲まそうと「はめ」を取りに行き遭難したとのことである。何とも心温まる話でないか。噛まれたところより心臓に近い場所の腕を縛り、噛まれたあたりにメスを入れ血を絞り出す処置をしながら詳しい話を聞いた。その日は簡単に「はめ」が見つかり喜んで取った。そうすると、あ、ここにも、あ、ここにも・・・という具合で8匹まで取ったそうである。9匹目に手を出したら、カプッと噛みつかれたとのことである。お母さんに飲ますだけなら1匹で良かったのにね。入院になったその方は翌日には肩あたりまでポパイの腕になってました。ご愁傷様です。

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