王様の一章

この『王様の一章』のコーナーは、要するに、新約聖書を一章ずつ読んでいって、その感想を書いてしまおう、という、たわいのないコーナーです。

今回は第1号ということで、必然的に「マタイの福音書1章」です。

マタイの福音書 一章

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり・・・・・・とは、私のお気に入りの名文です。スムースな音の流れ、そして、これから語られようとする物語を貫く無常の旋律の序曲を、見事に奏でているのではないでしょうか・・・オホン!

新約聖書は、はっきり言いまして、このような名文では書かれておりません。そう、あえて言うなら、レポートの類でありましょうか。

そして、福音書が、イエスに関するレポートであるとしますと、名文でないのは当然のことかもしれませんし、また、名文でないがゆえに聖典となりえるのかもしれません。

ことに、このマタイの書いた系図という、新約聖書の序曲は、「卒業式の来賓」という名のお年寄りの、長ったらしいあいさつのように退屈ではありませんか。落語の「寿限無」なら、まだ笑えますが・・・。

実際、私が新約聖書をはじめて読んだのは、はっきり言いまして、18節からであります。

次回は「マタイの福音書2章」