読者(?)各位殿


第2号の購読希望者が少なかったため、部数を増やそうと、創刊号を送った方々に送付しました。

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読者(?)各位殿

寒い日々が続いておりますが、皆様におかれましては新しい年をいかがおすごしでしょうか。おかげさまをもちまして、『はだかの王さま』も昨年11月7日に創刊号、12月11日に第2号を刊行することができました。
ところが、発行部数は創刊号の25部に対しまして第2号は11部でありました。皆様の第2号への申し込みがそれだけ少なかったということにほかならないのですが、その原因につきまして編集局が独自に調査いたしましたところ、

「申し込み方法がよくわからない」

とのご返答が少なからずかえってまいりました。確かに、創刊号の”あとがき”に書かれている申し込み方法は少々わかりにくく、おまけにまぎらわしくも不親切であります。

そこで編集局といたしましては、このことは当方のミスであると反省いたしまして、深くおわび申し上げますと同時に、今後このような不手際のないように、ここであらためまして『はだかの王さま』の申し込み方法につきまして、説明させていただきたいと思います。

(A) 意思表示のあった方だけに送ります
  まず『はだかの王さま』は、執筆者のひとりよがりの文章を、身勝手にも皆様に送りつけてしまうという性格の冊子です。
このことは、送りつけられた方にとりましては、聞きたくもないのに耳もとで他人がゴチャゴチャいうのと同じことで、たいそう迷惑なことと存じます。そういうわけで編集局では、創刊いたしました折から、次号を送るのは「次号もよみたい」との意思表示のあった方だけと決めておりました。
まあ、その結果が25部→11部であったわけですが、今後もこの<意思表示のあった方だけに送る>という方針ですすめるつもりです。
(B) 冊子自体も送料も、ともに無料です
  『はだかの王さま』は、その身勝手な性質上、有料とするのは少々あつかましいと編集局では考えております。

ところで、創刊号の”あとがき”には、「購読」「返信用切手」という言葉が登場しますが、このことはすべて忘れていただいて、今後一切上述の(A)(B)が『はだかの王さま』の基本方針であると心得ていただきたいと思います。

「返信用切手、云々」は、もともと冊子に対する皆様のご意見ご感想をきくために弄した策でありまして、編集局では「返信用切手を添える」→「封筒を使用する」→「切手だけというのは無愛想なので、何かひとこと書いてくれる」→「少しでも意見や感想をきくことができる」という構図を組み立てていたわけです。

皆様をいたずらな混乱にひきこみましたこと、重ねておわびいたします。

さて、しかし、皆様の内には
「編集局の財政はおそらく裕福ではないだろう。少し援助してあげよう」
という方、またもしかしたら、
「無料というのでは編集局に悪い。気になって夜もおちおちねてられない」
という方もおられるかもしれません。そういう方は、一冊の送料が120円ですので、そのあたりを目安にしていただいて、切手などで編集局宛お送り下されば、編集局といたしましては、素直に大喜びいたしまして、皆様のご好意にあずかることにいたしております。

さて、最後に第3号からのことですが、同封いたしましたハガキをご利用いただくなどして、どうか2月10日までに、皆様の意思を編集局に対して明らかにしていただきたいと思います。たとえば、
「ずっと送っていただきたい」とか、
「とりあえず第・・・号まで送っていただきたい」とか、
「いらん」とかいうふうに
皆様の意思を明らかにしていただければ、編集局といたしましては、まことに好都合なのです。

手前勝手なお願いとは存じておりますが、どうかよろしくおねがいいたします。

第3号は、執筆者多忙の折、発刊が予定日から少々ズレてしまいつつあるのですが、現在精一杯の努力をいたしておりまして、近々発刊にこぎつける予定でありますので、お楽しみにお待ちいただきたいと思います。

  読者(に、なっていただけますか?)各位殿

1986年1月20日